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【感想・考察】灰と幻想のグリムガル level.24『この時よ止まれ』短編集レビュー!レンジの意外な素顔と主要キャラの本名が判明

⚠️ この記事は原作のネタバレを含みます。

この巻について

『灰と幻想のグリムガル level.24 この時よ止まれ』は、シリーズ3冊目となる短編集です。

2013年から2024年にかけて各所で発表された特典SS63本に加えて、書き下ろしの「不全記」「この時よ止まれ」、そして「あとがきにかえて『灰と幻想のグリムガル外典』」を収録。

全部で67項目もあり、短編集とはいえかなりのボリュームです。

収録作品一覧

収録作品一覧を見る(全67項目)
  1. シホルとユメ
  2. 彼女の純情
  3. ハイ・エルフ
  4. チビちゃんのお料理
  5. メリイさんの羊
  6. チビちゃんの発声練習
  7. 完璧主義者
  8. チビちゃんVSヨロズ
  9. 眠たい目をした不届きな客
  10. お師匠
  11. そのためならば
  12. 女子心
  13. 愛トマジュー
  14. 男たちの夜
  15. やがて滅びをもたらす獣
  16. イーブン
  17. CAN'T STOP THIS
  18. 珍獣図鑑
  19. まどろみのヨロズ
  20. 先生の教え
  21. 魔法使いの作り方
  22. 聖騎士の心得
  23. ある名も無き義勇兵の述懐
  24. 思えばずいぶん前の出来事
  25. ミスグリムガル
  26. 俺が俺であるために
  27. 諸君
  28. そこには戻らない
  29. 数えきれない手紙の束
  30. スーパーな彼女
  31. 虫けらどもに告ぐ
  32. 昼休みの中庭で
  33. 学校の教室で
  34. この子
  35. あたしのピーターくん
  36. きみの罪
  37. 男の旅
  38. クルクルとシルバー
  39. 悪い男
  40. M-1への道
  41. 一生に一度ならどんな日もある
  42. 偶像崇拝
  43. 僕は負けない
  44. なくしもの
  45. 人間は考える馬である
  46. 楽園の罪
  47. 北の駅にて
  48. ちょうどよさの果てにあるもの
  49. 通り名の意味
  50. 心構え
  51. くるくるしるばー漫才台本#1
  52. くるくるしるばー漫才台本#2
  53. くるくるしるばー漫才台本#3
  54. くるくるしるばー漫才台本#4
  55. くるくるしるばー漫才台本#5
  56. くるくるしるばー漫才台本#6
  57. FIRE STAY WITH ME
  58. INTO THE SHELTER
  59. やっぱりカツは勝つ
  60. フレンチトーストグモーニン
  61. 夜明けを待て
  62. やさしさの夜
  63. 大人の秘密
  64. それでも恋は
  65. 不全記
  66. この時よ止まれ
  67. あとがきにかえて『灰と幻想のグリムガル外典』

全体の感想

この巻は、過去の出来事を中心に描いた短編集です。

多くの作品は過去に特典SSなどとして発表されていたようですが、私は基本的に単行本でしか読んでいなかったので、こんなにたくさんの短編があったこと自体知りませんでした。

本編ではあまり描かれなかったキャラクターの日常や意外な一面が見られるので、ファンとしてはかなり楽しめる一冊です。

ただ、読んでいてちょっと辛かったのが、ここに登場するキャラクターの多くが、本編ではすでに亡くなってしまっていることです。

昔の元気な姿を見られるのはうれしい反面、

できれば、生きているうちに読みたかったな……

とも思ってしまいました。

グリムガルは登場人物が本当に容赦なくいなくなってしまう作品なので、こうして過去の何気ないやり取りを読むと、余計に寂しく感じます。

レンジチームの意外すぎる一面

特に面白かったのが、レンジチームの面々です。

本編ではレンジチームについて詳しく描かれる機会がそれほど多くなかったので、知らなかったことがかなりありました。

意外な事実

まさかレンジがお笑い活動をしていたとは! しかも、ランタとコンビを組んでいたとは!

本編のレンジといえば、とにかく強くて、どこか近寄りがたい雰囲気のあるキャラクターです。

そんなレンジが漫才をやっていたというのはかなり意外でしたし、「こんな一面もあったのか」と一気に親近感が湧きました。

こういう本編ではなかなか見られないキャラクターの姿を楽しめるのは、短編集ならではですね。

グリムガル以前の世界? 各キャラクターの素顔と本名

個人的にかなり気になったのが、学校を舞台にしたエピソードです。

これらの話が単純なパラレルワールドとして描かれているのか、それとも本当にグリムガルへ来る前の世界を描いているのかは、はっきりとは明言されていません。

考察

ただ、もしこれがグリムガルへ飛ばされる前の話なのだとしたら、かなり面白いです。

ハルヒロ、マナト、ランタ、モグゾーたちが同じクラスにいたということは、もしかすると、ある学校にいた人たちがまとめてグリムガルへ転移してきたということなのでしょうか。

これまでぼんやりとしていた「彼らはどこから来たのか」という部分につながりそうで、いろいろ考えてしまいます。

そして、この巻では各キャラクターの本名も明かされています。

グリムガル名本名
ハルヒロ飯井間 晴洋(いいま はるひろ)
マナト三埜浦 真人(みのうら まなと)
ランタ石動 嵐太(いするぎ らんた)
モグゾー剣 文蔵(つるぎ もんぞう)
ユメ館花 柚雨(たちばな ゆめ)
メリイ柿宮 芽里依(かきみや めりい)
シホル紫葡(しほ)
ミモリ見森
レンジ田中 練士

こうして本名が並ぶと、一気に「グリムガルに来る前は普通の日本人だったんだな」という感じがして、不思議な気分になります。

ハルヒロチームは全員同じクラスだったようですし、レンジやミモリも同じ学校にいたことがうかがえます。

このあたりは、本編の謎を考えるうえでもかなり気になるところです。

「不全記」――メリイ視点でわかる冠山の真相

「不全記」もかなり重要なエピソードでした。

本編では詳しく語られていなかった、メリイが冠山へ突っ込んでいき、ルミリアスとスカルヘルが復活する場面が描かれています。

ノーライフキングを魂の内に宿したメリイの独白という形で進んでいくのですが、これを読むと、

なるほど、あの場面ではこうなっていたのか!

と、かなり腑に落ちました。

本編だけではよく分からなかった部分を補完してくれるので、短編というより、本編を理解するためにも読んでおきたいエピソードだと思います。

『灰と幻想のグリムガル外典』――ゲームとグリムガルの関係は?

最後の「あとがきにかえて『灰と幻想のグリムガル外典』」も、とても気になる内容でした。

ここでは、グリムガルの世界がゲームのような形で描かれています。

「もしかしてグリムガルって実はゲームだったの?」

考察

と思ってしまう内容ですが、単なるお遊び的な設定なのか、それとも本編の世界そのものと何か関係があるのか。このあたりは非常に気になります。

さらに面白いのが、各キャラクターのパラメーターが公開されていることです。

項目は、STR(筋力)・AGI(敏捷性)・DEX(器用さ)・STA(持久力)・INT(知性)・VIT(耐久性)の6種類。
60が平均で、40を切ると低め、70を超えていればかなり優秀という基準のようです。

ハルヒロチーム

キャラSTRAGIDEXSTAINTVIT
ランタ535453634866
モグゾー764058495075
シホル374851386347
ユメ625942544981
マナト646365677643
メリイ505961526446

こうして数字で見ると、それぞれのキャラクターらしさが出ていて面白いです。

モグゾーのSTR76、ユメのVIT81などは「確かに!」という感じですね。

そしてマナト。STR64、AGI63、DEX65、STA67、INT76と、ほとんど隙がありません。改めて見ると、本当に優秀だったんだなと思わされます。

レンジチーム

キャラSTRAGIDEXSTAINTVIT
レンジ816569736270
ロン745961714767
サッサ506467595853
チビ566773666863
アダチ475868547952

そしてレンジチームを見ると、やっぱり強い。

特にレンジはSTR81を筆頭に、ほぼすべての能力が高水準です。

本編を読んでいても「レンジたちはハルヒロたちとはちょっとレベルが違うな」と感じていましたが、こうして数字で見せられると納得です。

レンジだけが突出しているわけではなく、チーム全体の能力値が高いのも印象的でした。

本編で感じていた「レンジチームは別格」という印象が、数字でもしっかり裏付けられています。

まとめ

level.24は短編集ということで、本編を大きく進める巻ではありません。

ただ、個人的には思っていた以上に重要な情報が多い一冊でした。

レンジたちの意外な日常、本編ではすでに亡くなってしまったキャラクターたちの元気な姿、グリムガルへ来る前を思わせる学校でのエピソード、そして各キャラクターの本名。

さらに「不全記」では本編の重要な場面が補完され、「グリムガル外典」では世界の根幹に関わってきそうな気になる描写まであります。

総評

特に印象に残ったのは、やはり昔のキャラクターたちが普通に笑ったり、ふざけたりしている姿でした。楽しく読める話のはずなのに、本編でその後を知っているだけに、ちょっと寂しくもなります。「この時よ止まれ」というタイトルも、読み終わってから見ると、なんとも言えないものがありますね。本編を追いかけてきた人なら、かなり楽しめる一冊だと思います。